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日高報知新聞

「結果の8割は準備次第」【浦河】

 襟裳岬の森林再生の苦闘を題材にした劇場映画「北の流氷」(仮題)の制作に向け、浦河町出身の映画監督、田中光敏さん(60)=大阪芸術大学教授=の講演会が12日に浦河町、14日にえりも町で開かれ、「映画に学んだこと」を熱く語った。

 浦河、様似、えりも、十勝管内広尾の4町は、映画を活用した新たな観光地づくりを進めるため、3年後の映画化実現と成功に向け、第1稿のシナリオ制作段階から全面的に支援協力している。

 8年前から浦河町観光大使も務める田中監督が長年構想を温めていた作品で、講演会は映画化の地元機運を盛り上げるため、両町などが企画した。    浦河町総合文化会館の講演で田中監督は、生まれてから18歳で浦河高を卒業するまで浦河で過ごした少年時代を振り返り、「ふるさと浦河、北海道はとても大切な物を持っており、感性を育ててくれた特別な場所。一つ一つの風景を映画に織り込んできた」とふるさとに感謝した。

 主に6作目の最新作「海難1890」(2015年制作)を通して、映画作りに向けた経緯や情熱を語った田中監督は、この日本・トルコ合作の映画が実現に大きく近づいた瞬間が、田中監督が浦河町で舞台あいさつし、4作目として先行上映した「利休にたずねよ」当日に起きたという。

 平成25年10月29日夜、浦河町で4作目の映画上映中、夜のNHKニュースで安倍晋三首相がトルコ訪問で当時の首相に会い、映画の主題となった1890年に紀伊大島沖で遭難し村民が命がけのトルコ人救助に当たったエルトゥールル海難事件、1985年のイラン・イラク戦争勃発時に取り残された日本人をトルコ政府が救援機を飛ばして救出した出来事について、日本・トルコ合作の映画化を両国トップが協議したニュースが流れ、「上映中もたくさんの電話が来た」と振り返った。

 田中監督は「映画作りには人と人との出会いがとても大切」と述べ、良い結果の8割は準備次第と指摘。映画のできる可能性が1%でも「決してあきらめないこと。積み重なる力が奇跡を起こす」と「小さな力が大きなエネルギーになる」我慢強く、粘り強く取り組む重要性を強調した。

 「北の流氷」の制作を前に、田中監督は現在、今年から来年にかけ3本の映画制作の準備を進めている。幕末・明治の大阪の大実業家・五代友厚を中心に親交を結ぶ坂本龍馬ら幕末の志士たちを描いた「天外者(てんがらもん)」は来年9月にクランクイン。

 これに先立ち、日本で開催する「ラグビーワールドカップ2019」を盛り上げるエンターテイメントの映画の製作に入り、来年夏のワールド開催までに上映を予定。

 3本目は日仏合作映画で、フランスの彫刻家・ロダンが恋した日本の女性・花子を描いた作品「ロダンとハナコ」(仮題)を製作する予定。

 「北の流氷」について、「襟裳岬を再生させた漁師たちの実話で、自分のふるさとで、自分の限りない可能性を残す誇りに思う作品にしていきたい」と話し、地元の全面的な理解や協力とさまざまな事柄を積み上げていくことが成功につながると協力を呼び掛けた。

映画作りについて熱く語る田中監督

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