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根室新聞

北方四島の歴史・文化継承を―道博物館シンポジウム開く【根室】

北方四島の文化・歴史研究の成果を報告したシンポジウム

 北方四島とのビザなし交流枠を活用し、専門家交流を続けている北海道博物館はこのほど、一般に向けた初めてのシンポジウム「北方四島の過去と現在・未来に何を伝えるか」を釧路市立博物館で開いた。先史時代から江戸期、明治から現在に至るまでの北方四島の歴史を振り返り、パネルディスカッションでは、学術交流の重要さを訴えた。なお、12月8日には、根室市教委との共催で、道立北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」でも開催する。

 同博物館は「北方四島の歴史・文化研究」として平成18年からビザなし交流の一般訪問として参加。翌年からは「歴史・文化専門家交流枠」を活用し、同博物館のプロジェクト研究、日本学術振興会科学研究費、外務省・内閣府の研究補助を受けながら調査、研究を続け、これまでに国後島に8回、色丹島、択捉島に各3回の現地調査を行ってきた。

 シンポジウムは、釧路市立博物館との共催で、「歴史・文化遺産を伝える」をサブテーマに、釧路市埋蔵文化財調査センターの高橋勇人学芸専門員が「釧路市立博物館所蔵の北方四島考古資料」、北海道博物館の鈴木琢也学芸主査が「北方四島の先史文化交流」、松浦武四郎研究会の野澤緯三男事務局長が「武四郎がみた北方四島」、同会員の谷内紀夫氏(元道北方領土対策本部根室地方本部副本部長)が「北方四島の歴史・文化遺産の継承」をテーマに報告。この後、報告者を交えたパネルディスカッションで、人類活動史から北方四島の歴史・文化遺産の継承を考える機会として意見を出し合った。

 この中で、根室振興局で「北方領土遺産」発掘・継承事業に携わった谷内氏は、失われていく北方四島での日本人の生活の痕跡に懸念を示し「昭和13年に建てられた紗那国民学校は、日ロ両国民にとって母校でもあるが、壊されようとしている」と報告。保存していくためには、ロシア側の許可が必要であり、主権問題と相まって「取り壊された紗那郵便局や択捉島水産会事務所のように時間切れになるかもしれない」とした。

 また、パネルディスカッションでは、コーディネーターを務めた北海道博物館の右代啓視学芸主幹が「領土問題も歴史や文化を認識して進めることが重要。文化遺産への理解促進には、情報共有できる拠点が必要ではないか」と提案した。

 なお、12月8日午後1時半から道立北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」でも開催する予定で、根室管内から根室市歴史と自然の資料館の猪熊樹人学芸主査が「根室市歴史と自然の資料館所蔵の北方四島資料」、羅臼町郷土資料館の天方博章学芸員が「羅臼町郷土資料館所蔵の北方四島考古資料」と題して報告を追加する。

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