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室蘭民報

地震から3カ月…復興に向けた歩み本格化【東胆振】

及川町長から鍵を受け取り、懇談する竹田さん夫妻

 厚真町で最大震度7を観測した胆振東部地震からきょう6日で3カ月を迎える。被害が大きかった東胆振3町(厚真、安平、むかわ)では仮設住宅223戸が建設され、避難所生活から復興に向けた歩みが本格化してきた。

 5日には、安平町内で農家や酪農家ら向けに作業現場近くに設けることができるトレーラーハウスの鍵引き渡しが行われた。このほか、寮が壊れた影響で避難所で暮らす鵡川高校野球部員ら36人の新たな生活拠点となる寄宿舎型の仮設住宅、高齢者が入居する福祉仮設住宅の建設も進んでいる。

 道が5日午後5時現在でまとめた被害状況では、東胆振・日高地方では、苫小牧、厚真、むかわ、新ひだかの4市町で計40人が死亡、負傷者は計390人(うち重傷12人)。建物被害は全壊345件、半壊830件。自宅に住むことができず避難所での生活を余儀なくされている住民は厚真、むかわの2町で55人となっている。

安平の竹田さん、安心して働けます

安平町職員から説明を受ける竹田さん夫妻(左から2人目と3人目)

 「本当にありがたいことです。皆さんに助けられました」

 安平町冨岡で農業を営む竹田和義さん(72)、典子さん(65)夫妻に5日、トレーラーハウスの鍵が及川秀一郎町長から届けられた。自宅が半壊した竹田さん夫妻は、震災から3カ月を迎え、新たな生活拠点の提供に感謝の言葉を口にした。

 竹田さんはビニールハウス14棟でホウレンソウやインゲン、ネギなどを栽培する農家。震災で自宅が半壊し「家が傾いている」と言われたが、農作物の世話があるため、避難所では暮らさず自宅で寝泊まりをしていたという。その後、トレーラーハウス型仮設住宅があることを知り、入居を希望していた。

 この日は及川町長と町職員が訪れ、内外を検査。住居に適しているとして鍵を手渡した。竹田さんはトレーラーハウスがなければ「農家を辞めることも考えた」と住宅内に入り、居間やトイレ、風呂、寝室などを見て回った。

 広さは36平方メートルで決して広くはないが「2人で暮らすには十分すぎる。冬場は氷点下20度まで冷え込むので助かります」と話していた。典子さんも「よかったです」とひとまず安どの表情を見せた。週末までに引っ越しを終えて、新しい生活をスタートさせるという。

 トレーラーハウスは東日本大震災(2011年3月)や熊本地震(2016年4月)などでは福祉避難所として使われ、今年7月の西日本豪雨災害では仮設住宅として被災者の生活を支えた。仮設住宅同様に2年入居できる。

義援金、炊き出しで広がる支援

仲間と厚真町の炊き出しボランティアを行った高田さん(左から4人目)

 胆振東部地震から3カ月。大きな被害を受けた胆振東部3町は完全復旧までなお時間がかかるものの、被災者の応急仮設住宅への入居が進む。11月末で安平町の避難所が閉鎖され、残りは厚真町の2カ所とむかわ町の1カ所だけとなった。同じ胆振の仲間を助けようとの思いを込め、ボランティアや義援金などの支援が多様な形で広がっている。

 東胆振3町にはこれまで道内外、国内外から延べ約1万1千人のボランティアが訪れた。現在、北海道社会福祉協議会で地域別参加者を取りまとめているが、西胆振のボランティア参加人数は未定。実際のボランティア参加者の話を聞く限り、参加人数は決して少なくない。

 室蘭市中島町で「BAR Jtrip」を経営する高田信幸代表(55)は9月26日、仲間11人と厚真町に入り、炊き出しボランティアを実践。用意したのは200食以上のラーメン。「数日前からボランティアセンターと調整し、当日は200食以上を作れる厨房(ちゅうぼう)の設置から始めました。被災者においしいものを食べていただきたいという一心でした」と振り返る高田さん。「声を掛けたら二つ返事で『行こう』と集まってくれた仲間に感謝です。『僕も連れて行ってください』と言った学生アルバイトが『本当に来て良かった』と口にしたのは、本当にうれしかったですね」と笑顔を浮かべた。

 室蘭市中央町の大町商店会(平林滋明会長)は3日にスタートした、年末大売り出しセールの景品に厚真・安平・むかわ3町の特産品をそろえた。厚真町は、あづまジンギスカン本舗でおなじみ「市原精肉店」のロースジンギスカン400グラム、安平町は「チーズ工房角谷」のカマンベールチーズ、むかわ町は「むかわのジビエ」のエゾシカのフランクとエゾシカのサラミのほかカネダイ大野商店の珍味ししゃも。売り上げの一部は被災地の義援金に充てる予定だ。

 室蘭市社会福祉協議会によると、11月末までに寄せられた地震関連義援金は日本赤十字社分と赤い羽根共同募金分を合わせ計116件、487万7053円に上る。町内会や子ども会、学校関係など多種多様の団体や個人が被災者に寄り添った気持ちを届けている。引き続き、災害義援金を受け付けている。

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