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苫小牧民報

胆振東部地震から3カ月 残る爪痕復興遠く

厚真町吉野地区の災害現場。土砂崩れの爪痕は今も残ったままだ=6日午前

 最大震度7を観測し、41人が死亡した胆振東部地震の発生から6日で3カ月。被害の大きかった胆振東部3町では、被災し避難所生活を余儀なくされてきた人たちの仮設住宅への入居が進み、避難は近く解消される見通しが立った。ただ、厚真町で多数が犠牲となった土砂崩れの爪痕は生々しく残ったままで、復興には程遠い。被災地はこれから本格的な冬を迎える。

 地震による山林の斜面崩壊で甚大な被害に遭った厚真町。吉野や幌里、高丘など農村の集落が土砂にのみ込まれた災害現場では、寸断されていた道道上幌内早来停車場線など周辺道路が復旧し、11月に通行止めが解除された。しかし、16歳から95歳までの住民ら男女36人の命が奪われ、美しい里山の風景が一変した悲劇の現場は今もそのまま。土砂に埋まった家々や倉庫のがれき、押しつぶされた車や農機具、泥にまみれ散乱する衣服や家財道具―。地震発生の9月6日未明から時間が止まったかのような光景が広がる。

 3カ月の節目を迎えた6日、現場では、命を落とした身内や知人の冥福を祈る人の姿が見られた。富里で農業を営む伊部義之さん(50)は、同じ地区で犠牲になった農業仲間の友人を弔うため現場に訪れ、手を合わせた。友人宅は背後の山からの土砂崩れに遭って見る影もない。「自分は家族も家も無事だったが、災害で多くの友人や知人を失った。いったい私たちが何をしたというのか」と唇をかんだ。

 遺族の悲しみは今も癒えない。富里で父の初雄さん(当時67)ら家族3人を亡くした町役場職員の中村真吾さん(42)は「あっという間の3カ月だった」と振り返り、「私の娘の小学校行事にいつも来ていた(母の百合子さんら)家族の姿がないことを目にした時、もういないんだと改めて感じた」と話した。同町は正午、防災無線などでサイレンを鳴らし、役場職員らが犠牲者に黙とうをささげた。

 被害の大きかった厚真、安平、むかわ3町では応急仮設住宅が整備され、入居も進んでいる。安平町は11月30日に避難所を閉鎖し、厚真町も6日に全て閉じた。むかわ町では、半壊指定を受けた鵡川高校野球部寮の部員ら36人が町内で避難しているが、年内にも仮設寮が完成する予定で、早期に避難所から移る見通しだ。

 JRは地震で運休した道内12路線の全区間で運転を再開したが、道が管理する道路は2路線2区間で通行止めが続く。安平町では土砂崩れなどの恐れから、なお33世帯に避難指示が出ている。

 地震発生時に起きた道内全域の大規模停電(ブラックアウト)。経済産業省は不測の事態に備えるため、北海道で12月から来年3月末までの節電を要請。北海道電力も道民に電力の使用抑制を呼び掛けている。余震は減少傾向にあるが、気象庁によると、震度1以上は325回(今月5日時点)となっている。

厚真町富里の災害現場で、亡くなった友人の冥福を祈る伊部義之さん=6日午前8時55分ごろ

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