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室蘭民報

市長選で青山氏3選出馬正式表明「誇り輝く室蘭」掲げ【室蘭】

「道半ばである問題に道筋を付けたい」と3選への意欲を語った青山市長=26日午後4時20分、室蘭プリンスホテル

 室蘭市の青山剛市長(41)は26日、来年4月の市長選に3選を目指して立候補する意向を正式に表明した。中央町の室蘭プリンスホテルで記者会見し、次期スローガンに「誇り輝く室蘭」を掲げ、決意した理由を地域医療問題、JXTGエネルギー室蘭の製造停止後の展望に道筋を付ける責務に言及。「さらなる誇れる地域資源に輝きを放つ取り組みを行う」と述べた。

 青山氏は無所属で臨み、商工会議所の政治団体や連合室蘭に推薦を求める考えを示した。市長選への出馬表明は初めて。

 実績として、初めに「ブランド化」を掲げ取り組んだ子育て支援の充実を挙げ、生涯学習センター・きらんのオープンなど市民の思いを形にできたと強調。さらに公共施設の再編や宮蘭フェリー就航、防災対策など災害に強いまちづくり、中心市街地活性化といった取り組みを説明した。

 その上で室蘭の資源を「歯車」に例え、「まちを大きく動くお手伝いができたらと考えている。さらなる誇れる地域資源に輝きを放つ取り組みを行っていく」と3期目への意欲を述べた。

 公約の柱として「安心できるまちづくり」を示し、「安心」「愛着」「挑戦」「発信」の視点から「5つの戦略方針」を掲げた。来年3月中に具体的な政策としてまとめるとした。

 最重要課題は近年頻発する災害を背景に、防災体制再整備のほか、患者や医師が魅力を感じる持続可能な地域医療体制、高齢者の通院、買い物の足確保などに力を入れる考えを示した。

 青山氏はまた脱炭素化の流れを受け「環境、エネルギー分野への挑戦をJXTGエネルギーの製造停止後の展望につなげる」と課題解決への意欲を述べた。

 会見には神島茂夫後援会会長、荒谷信幸幹事長、豊島良明顧問が出席。荒谷幹事長は11月20日に出馬要請したことを明かした。神島会長は「情熱と意欲、41歳という若さ、市議、市長の経歴と柔軟性を大切に3期目を応援する」と語った。

 青山氏は札幌市出身。室蘭工業大学大学院修了後、2003年から室蘭市議を2期務め、11年4月の市長選で新人同士の一騎打ちを制して全国で3番目に若い市長として初当選した。15年の市長選では1万7千票余りの差をつけ再選を果たした。

安心できるまち前面に

 【解説】青山剛市長が3選出馬を表明した。会見では、防災対策推進や地域医療再編など「安心できるまちづくり」を前面に打ち出し、将来を見据えた市政課題解決に注力する方針だ。

 2期目は人口減少社会を意識し①子育て支援策②公共施設再編の方向性③宮蘭フェリー就航④災害対策―を前進させた。まちづくりの部分では国の地方都市再生支援策「地方再生コンパクトシティー」のモデル都市に選ばれた。「着実な市政運営に一定の評価がある」(荒谷信幸幹事長)。

 一方、室蘭市政には課題が山積する。市民生活に直結する地域医療問題は見通しが立っておらず、JXTGエネルギー室蘭の製造停止など経済対応は待ったなしだ。財源問題がつきまとう公共施設更新も控える。

 室蘭の課題は全て「人口減少に起因している」(市幹部)。立地適正化計画の市民アンケートでは室蘭の生活に「漠然とした不安」を抱く意見が聞かれた。時代を見据えた施策展開に向け、市民の不安払しょくが大きな課題となる。

 青山氏が強調する室蘭を「誇り輝く」視点に立たせ、「安心」「愛着」「挑戦」「発信」の各事業をいかに深化させ、展開していくかが試される。

会派会長ら意見交錯

 青山剛室蘭市長の立候補表明について、市議会の会派会長は市政運営への評価と厳しい意見が入り混じった。

 最大会派の市政協同(9人)の我妻静夫会長は「コンパクトシティーや行財政改革、JXTGエネルギーの事業所化後の新規事業の誘致を含め、本人が一生懸命やっているのは分かる」とした上で「市民の期待からすればいま一歩の感は否めない」と指摘。「2期8年間の経験を踏まえてスピード感を持ち、市民の期待に応えられるまちづくりを進めてほしい」と期待した。

 公明党(3人)の砂田尚子会長は「行革および財政運営は手堅くやってきた印象。航空機産業支援、企業誘致などにより新産業の芽が育ちつつある」と評価。「若い力を生かして政策提言し市民に寄り添い優しい市役所づくりを期待していた。そういう部分が見えないので少々残念」とし、「若い発想を取り入れてリーダーシップで市民への最大のサービスに取り組んでもらいたい」と求めた。

 「残念ながら評価するところはない」と話した第2会派の市民ネット・むろらん(5人)の水江一弘会長。理由として「1期目から続く厳しい財政状態」を挙げた。「扶助費の負担は増え財政的にも頭を抱えていると認識しているにもかかわらず、保育料を無償化にしたのはおかしな話だ」と批判。加えて「若い職員が自由に議論できる環境をつくる必要がある」と求めた。

 共産党(2人)の田村農夫成会長は「子育ての安心には程遠く、企業がリードすべき水素社会の実現をお金がないと言っている室蘭が取り組むのは無理がある」と否定的な意見を述べた。「買い物困難者対策を実施せず、公共施設の統廃合を進めれば、周辺地域は買い物困難者や空き家が増え、ますます高齢者や生活弱者が暮らしにくいまちになる」との認識を語った。

 新緑会(2人)の早坂博会長は「今後、先行きが厳しい中で室蘭のために何を考え、どう行動するか。市長としていろいろ取り組んだ8年間の経験を生かす必要がある」とした上で、「若さの割りに大胆さが足りない。どのようにまちを発展させ将来のまちづくりに向け何がしたいのかを市民に発信し、努力してもらいたい」と注文を付けた。

市長選無投票の公算

 室蘭市長選に正式に出馬表明した青山剛市長のほか、立候補の目立った動きはなく、2003年(平成15年)4月以来の無投票となる可能性が高まっている。前回選で候補を擁立した関係者が候補擁立に動き、共産党なども入る革新系市民団体は政策評価を進めるが、現時点ではほかに出馬の動きはない。

 青山氏は「誇り輝く室蘭」をスローガンに市政の継続を訴える。「失政がない」(荒谷信幸幹事長)中で経済界と労働界が連動する可能性があり、企業関係者は「対抗馬が出にくい環境にある」とみている。

 青山氏周辺が避けたいのは、429票差で当選した1期目のような厳しい選挙戦だ。「あえて難しい課題に取り組む姿勢を示すなど、対抗馬封じへの布石を打ってきた」と見る向きもある。後援会組織を強固にした上で、経済・労働各界の相乗りによる支援体制を維持し3選を果たす―。そんなストーリーを描く。

 「無投票はまちにとって良くない」とする関係者もおり候補者選びを進めている模様だ。市民団体「21世紀のすみよい室蘭をつくる会」(田口清英代表)は「現職の評価を行いしかるべき時期に判断する」としている。

 市選挙管理委員会によると、1975年(昭和50年)以降で市長選が無投票となったのは2回(75年、2003年)。

「3期目にも期待」「宮蘭就航は評価」

 前回市長選で青山剛市長を推薦した室蘭商工会議所の政治団体・日本商工連盟室蘭地区連盟と連合室蘭は今後、2期8年の総括を経て3選対応を決める方針だが、両団体のトップに、現時点での青山市政に対する評価を聞いた。

 同連盟の栗林和徳会長は「JXTG問題や商業施策などまだまだ積み残し課題があるが、企業の助成制度創出など、経済界に協力的。フットワークも持ち味で中央とのパイプづくりも活発。脂の乗った3期目にも期待している」と述べた。室蘭商議所は2月の市議会定例会前に政策要望を行う予定で、これを踏まえて3選対応を決めるという。

 連合室蘭の日西和広会長は「それなりにはやっている印象。JXTGの事業縮小は予想外だったが、宮蘭フェリー就航、月島機械進出などを評価している。ようやくという見方もあるが、体育館や市場についても移転先が決まり動き出した。100点満点とはいかないが、平均点といったところ」と述べた。1月中に対応を決定する予定だ。

「素晴らしい資源磨く」

 任期満了に伴う2019年4月の室蘭市長選への立候補を表明した現職の青山剛氏(41)の会見での一問一答は次の通り。

 ―前回、七つの戦略を挙げていた。今回公約の柱は。

 「既に形になった部分もある。特に力を入れていくのは安心して暮らせるまちづくり。しっかりと取り組む」

 ―子育て施策がトーンダウンしているように感じますが。

 「子育て支援メニューは2期目に多く取り組み実施につながった。今回新たな項目立てをしていない。市として特色ある施策をどう進めるか考える」

 ―議会では決断力の乏しさに批判がありますが。

 「基本的な姿勢は市民の声を伺いプロセスを踏むこと。批判を受け止め市民に何が大切か考えていきたい」

 ―次期スローガンに「誇り輝く室蘭」に込めた思いは。

 「室蘭には素晴らしい財産がたくさんある。しかし十分に輝いていないところもある。さらに素晴らしい資源に磨きをかけていきたい」

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