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根室新聞

『根室人国記』第3集発行へ 多彩に50人を収録【根室】

根室人国記第3集刊行に向けて作業を進める志和秀春さん

 郷土根室とともに歩んできた人たちの人間像をレンズを通して表現し、後世に伝える「根室人国記」の第3集が脱稿し、3月刊行を目指して出版作業に入った。アマチュア写真家サークルのぐるーぷ写楽が制作した前二作の精神を受け継ぎ、第3集は所属会員である志和秀春さん(86)が三年がかりで企画から撮影取材、執筆、校正など編さんを一手に行っており、労作を世に送り出す日を楽しみに作業を進めている。

 第3集は、激動の昭和時代をたくましく生き、急激な社会環境の変化に対応しながら平成時代をリードしてきた人々の姿を追い、写真に収めた。さまざまな立場で郷土に足跡を残し、さまざまな立場で職域で個性を発揮し、さまざまな分野で愛情を注ぎ、それぞれが心豊かに、この道ひと筋に歩む人たちの、ある日ある時の姿をレンズを通して表現した。主に、技能で根室の発展に足跡を刻んできた職人や社会で活躍する女性、地域活動で活躍する人にスポットを当てた。

 数十人から候補者を挙げて作業に入ったが、高齢による体調不良や諸事情で取材できなかった候補者もいて、最終的に50人を収録する。昨年9月で任期満了となり退任した長谷川俊輔前市長の撮影取材を最後に締め切り、昨年暮れまでに原稿を書き終えた。

 最高齢104歳の山本ソノさんから、北方領土の語り部として奔走する中田勇さん、公民館草創期を語る田家道子さん、磨いた技で地域に貢献する鉄工職人の菅本義一さん、もち屋の伝統の味を守る菓子職人田村壽朗さん、麺と味にこだわり続けて45年のラーメン店主鈴木将司さん、市内で唯一となったカメラ専門店を経営する浜崎多佳子さんなど、年齢や職業、活動分野など実に多彩な人々が登場する。38年ぶり二人目の称号授与となった根室市名誉市民の平賀洋明さんにも快諾を得た。

 また、第3集でようやく収録に応じてくれたというオランダせんべい製造の端谷秀雄さんが、本になるのを見ずに昨年11月に亡くなったのが悔やまれる。「私は菓子職人じゃない。せんべい屋だよ」と、せんべい作り一筋の人生を表現したという言葉が、志和さんの脳裏から離れないという。すでに撮影取材、原稿執筆を終えていたことから、予定通り掲載する。

 志和さんは「制作を通して私自身が根室人の生き様を知ることができてとても勉強になった。この時代の根室でこんな生き方をしている人がいるんだということを知ってもらえれば」と話している。

 自費出版でB5判300部発行し、本人や関係者に配布するほか、100部を図書館や学校など、郷土資料や地元公共用として根室市に100部を寄贈する予定だ。

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