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室蘭民報

徘徊の夫捜索にご近所さんの温かさに感謝【室蘭】

周囲の皆さんに感謝の思いを語る佐藤さん

 「主人が助かったのは、周りの方のおかげ。本当にありがたいです」。室蘭市港北町に住む佐藤友子さん(68)は感謝する。友子さんのご主人、薫さん(81)が徘徊(はいかい)してまち中で動けなくなった時、周囲の人の助けで一命を取り留めたのだ。薫さんの認知症を近隣が知っていたため、大事には至らなかったケースだった。

 薫さんがアルツハイマー型認知症を発症したのは7年前。徐々に症状は進行している。以前は散歩をしていたが、現在は毎週デイサービスに行く時を除き一人で外出することもなく、家から出ることはほぼない。

 19日午前8時、友子さんが勤め先に出た30分後、薫さんが外出する姿を向かいに住むご主人が目撃した。「上着も着ていないし、軽い散歩だろう」と思っていたが、1時間以上たっても戻ってこないので不審に思い、隣宅の奥さんとともに捜索を開始した。

 JR本輪西駅や信用金庫などを探したが姿は見えない。二手に分かれさらに捜索を続けると、コンビニエンスストア向かいの美容室前で倒れ、動けなくなっている薫さんを奥さんが発見。声を掛けると、薫さんは「ああ、奥さん」と応えたという。救急車で搬送された薫さんは右足を骨折しており、現在入院しているが命に別条はないという。

 友子さんは「当日はマイナス気温が続き、低体温症になっていたかと思うとぞっとします」と振り返る。薫さんの主治医である本輪西ファミリークリニックの佐藤弘太郎院長の勧めに従い、普段から友子さんが周囲の人に薫さんの認知症を話していたため、捜索が早期に行われ大事には至らなかった。

 集合住宅が一般的になり核家族化も進んだ昨今、隣に誰が住んでいるかも分からない状態が日常化、隣人トラブルが多発している。しかし日本には「遠くの親戚より近くの他人」ということわざがあるように、人と人の温かいつながりが大切にされてきた。まずはあいさつから始めてみてはどうだろうか。

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