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山線機関車、復元の動き 支笏湖地域の有志ら実行委立ち上げ
苫小牧民報 - 2017/08/01 16:21
支笏湖から流れる千歳川に掛かる山線鉄橋
 1908年に運行を開始し、約40年間、王子製紙苫小牧工場と同第4発電所(千歳市水明郷)間の約40キロを結んで人や物を運び続けた王子軽便鉄道―。この夏、千歳市支笏湖地域の有志が同鉄道や山線鉄橋と地域の歴史を改めて伝え、観光への活用を目指す「温故創新 支笏湖・山線プロジェクト」を立ち上げた。湖に端を発する千歳川最上流部には同鉄道の蒸気機関車が通った「山線鉄橋」が現存。復元した蒸気機関車を鉄橋たもとに展示する構想で今後、実行委を旗揚げする。

 同鉄道は「山線」の愛称で親しまれ、08年に運行が始まり、蒸気機関車が発電所建設のための資材や製紙原料を輸送した。支笏湖に行楽客が訪れるようになった22年からは、一般客も乗車できるようになった。51年の廃線まで湖ほとりの生活にも寄与してきた。

 1899年に造られた山線鉄橋は、道内に現存する最古の鉄橋として1997年の修復工事を経て、99年に千歳市の有形文化財に指定。2007年には経済産業省の近代産業遺産にも認定された。また同鉄道を走った蒸気機関車は、苫小牧市内の王子アカシア公園に展示されている。

 千歳の山線鉄橋も、苫小牧の蒸気機関車も、地域の産業と生活の歴史を今に伝える産業遺産。しかし、現在では、その歴史を知る人は少なくなった。実際に機関車に乗った経験がある人もわずか。支笏湖地域の関係者からは「地元の歴史を埋もれさせてはならない」との声もあった。来年は「北海道」と命名され150年の節目。山線鉄橋の歴史的な役割や、地域との関わりを現代に伝えるとともに、地域資源として活用するため、支笏湖地域の有志がプロジェクトを立ち上げた。

 プロジェクト内容の核は蒸気機関車の復元。同時に蒸気機関車の保管施設を設け、そこに地域の歴史を学ぶことができる資料を展示する。1922年に当時の皇太子(後の昭和天皇)が乗り、同鉄道を走った貴賓車も復元したい考えだ。

 復元に向けては、趣旨に賛同する企業や関係者の協力も呼び掛ける。復元後は、関連イベントも計画。今後は関係者で実行委を立ち上げ、今年中に企画実現に向けた具体案をまとめる方針だ。

 プロジェクトのメンバーとして事務局を務める自然公園財団支笏湖支部の木下宏所長は「かつて住んでいた人々の歴史を紹介するのは、今の支笏湖地域にいる私たちの役割。増える外国人観光客も、地域の歴史を知りたいのではないか」と意義を強調する。

 今後は復元した蒸気機関車の設置場所の用意や、プロジェクトの推進に向けた資金の確保などが課題だ。主要メンバーである丸駒温泉旅館の佐々木義朗社長は「支笏湖に住む私たちは、自然や食、景観を重視し、歴史を忘れていた。山線の歴史を残さなければ、埋もれてしまう」と危機感をにじませ、「山線鉄橋と復元した蒸気機関車を千歳の歴史的な遺産にしていきたい」と展望している。

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