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十勝毎日新聞

紫竹昭葉さん死去 紫竹ガーデン社長 94歳【帯広】

紫竹昭葉さん

 「紫竹ガーデン 遊華」(帯広市美栄町)の社長で、「紫竹のおばあちゃん」として慕われた紫竹昭葉(しちく・あきよ、本名=昭代)さんが4日午前10時19分、帯広市内の自宅で死去した。94歳だった。死因は大動脈瘤(りゅう)破裂。

 紫竹さんは1927年、帯広生まれ。父は宮坂建設工業(帯広市)創業者で、帯広商工会議所会頭も務めた宮坂寿美雄氏。帯広高等女学校(現帯広三条高校)卒。

 63歳のときに「野の花が自由に咲く庭園を」と庭造りを開始し、92年に紫竹ガーデンをオープンさせた。同ガーデンは北海道・十勝を代表する観光庭園に成長、北海道ガーデン街道の中核を担っている。

 花柄の帽子・服がトレードマークで、愛らしい姿が好感を呼び、マスコミでたびたび紹介された。2018年、北海道150年特別功労賞を受賞。

 紫竹さんは今季も、開園後のガーデンに元気な姿を見せていた。遺族によると4日も午後から、親族と一緒にガーデンに顔を出す予定だった。

 通夜は6日午後6時、葬儀は7日午前10時から、公益社中央斎場(帯広市西12南29)で開く。喪主は娘婿の隈本毅さん。後日、お別れの会を開く。

花に囲まれ人に愛され

 「紫竹のおばあちゃん」として慕われ、4日に亡くなった紫竹ガーデン(帯広市美栄町)社長の紫竹昭葉(しちく・あきよ、本名・昭代)さん(享年94)。夫の死を機に「野の花が自由に咲く庭園を」と1992年に同ガーデンをオープンさせ、北海道・十勝を代表する観光庭園へと育て上げた。親交のあった関係者からは惜しむ声が上がっている。

シーズン中は毎日、ガーデンの草花の世話に明け暮れた紫竹さん

 紫竹さんの長女でガーデンの取締役専務を務める隈本和葉さん(73)は「おばあちゃんはたくさんの人に愛され、本当に幸せだったと思う」と振り返った。

 紫竹さんは4日、朝6時ごろに起床し、入浴を済ませた。その後、花が生い茂る自宅庭で種をまくなど作業をしていたところ、倒れたという。4日は管外から親戚が訪れ、午後からガーデンを訪れる予定だった。

 紫竹さんは生前、「花畑の中で、花に囲まれて死にたい」と話していたという。隈本さんは「本当にその通りになった。安らかに最期を迎えた」と涙ぐんだ。

 同ガーデンは、全国から年間約10万人の観光客が訪れ、北海道ガーデン街道の中核を担っている。

 「たくさんのお客さまに、花を見て喜んでほしい」-。花以上に人が好きだったという紫竹さん。隈本さんは「やりたいことは絶対に諦めずにやり通す。私も母のような人になりたい」と静かに話した。

優しい先駆者 惜しむ声

 JA帯広かわにしの有塚利宣組合長は「苦楽もともに知る長年の友が、また一人旅立ってしまった」と肩を落とす。有塚さんは紫竹ガーデン開園(1992年)前から、さままざまなことに奔走する紫竹さんの苦労を知る一人だ。「当時は観光農業は認められない形。60歳を過ぎてから、農業者として土地を取得したり…ね」と振り返る。

 ガーデンは北海道・十勝を代表する観光庭園に成長。「地道に草花を植え続け、紫竹さんが心血を注ぎ続けたたまもの」と話す。

 「50年来の仲」で思い出は尽きない。紫竹さんの亡きがらとも対面したという。「非常に残念。今はただ、安らかに」と言葉少なに話す。

 元帯広市長の田本憲吾さん(91)は、かつて所属していた帯広青年会議所の関係で、紫竹さんの夫勲さん(故人)と親交があり、50年ほど前に紫竹さんに出会った。「女性が全く違う分野の農業に入って大変な苦労をしたと思うが、自分の思った道を進み、立派に事業を成し遂げた」とたたえた。ガーデンは市の観光振興にも寄与し、「たくさんの人が帯広に来てくれるようになった」と感謝した。

 北海道ガーデン街道協議会の林克彦名誉会長は「ガーデン街道立ち上げ以前からつながりがあり、精神的な支柱だった。誰に対しても優しく平等な方で、ガーデナーとしてだけでなく、高齢の女性がチャレンジする姿に周囲の人が勇気をもらっていた」と悼んだ。

 2008年から大森康雄社長(67)とともに大森ガーデン(広尾町紋別14線)を営む大森敬子専務(67)は「20年ほど前から交流させてもらっているが、昭葉さんは十勝のガーデンの先駆者。おごらず親しみやすい人柄で、見習いたいと思っていた。ガーデンは訪れた人が幸せを感じ、それを持ち帰って広げる場だと考えているが、昭葉さん自身がそんな存在だった。優しい幸せの心を配ってくれていた」と話した。

 紫竹ガーデンは花を生かした地域観光への貢献が評価され、05年に日本観光協会の花の観光地づくり大賞を受賞。紫竹さんは18年に北海道150年特別功労賞を受けた。

 ガーデンの設計を担当した園芸文化協会常務の奥峰子さん(東京)は、企業単位ではなく6ヘクタールもの庭を整備して公開し、オープンガーデンとしては国内でも先駆け的な存在だったと評価する。「好きな花を自然な形で手入れして、そこにいるだけで気持ちよい『おばあちゃんの庭』を造った。何度も行って会いたくなるのは紫竹さんならでは」と話し、国内外にファンを持つ魅力を語った。

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