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苫小牧民報

恵庭市の安保さん9月に作家デビュー 「角川つばさ文庫」から児童書刊行

角川つばさ文庫小説賞で金賞に輝いた安保さん

 恵庭市の主婦、安保真理子さん(38)が9月、KADOKAWA(東京)の児童書レーベル「角川つばさ文庫」から児童書を刊行する。同社の小説賞で頂点を射止めての「児童書作家デビュー」で、物語は主人公が挫折を経験しながら吹奏楽部で成長していく内容。安保さんは自身の経験も踏まえて執筆し、「トラブルやアクシデントは人生に付きもの。そういうことも『大丈夫だよ』と子供に伝えたい」と話している。

 第7回角川つばさ文庫小説賞の一般部門で、応募作品181点の頂点となる金賞に輝き、児童書を刊行することになった。同賞は「子供たちにもっと読書を楽しんでもらいたい」の願いを込めて2011年に創設され、一般部門とこども部門を公募。今回の一般部門は昨年7~8月に作品を募り、今年3月に都内で表彰式が行われた。

 安保さんの作品は主人公が第一志望校に落ちて、やる気もない状態というどん底からスタート。成り行きで入った吹奏楽部で、恋愛をしたり、いじめに遭ったり、自分の居場所を見つけながら、また挫折するなど、紆余(うよ)曲折にも負けず、真っすぐ歩んでいく青春ものだ。受賞作品名は「シークレットブレス」だが、刊行時にタイトルを変える予定という。

 安保さんがこの作品を書いたのは、現在小学1年の長男を生んで約1年後、子育てにも余裕が出始めたころ。「子供たちが喜んでくれるようなものを書きたい」と創作意欲をかき立て、「自己選択、自己決定」「大切なのは何を選ぶかよりも、選んだ後にどうするか」「未来を創るのもまた自分自身」のテーマを意識して執筆。「その道が失敗か成功かは、誰かが決めるのではなく、自分で決めることができる」の思いを込めた。

 実は安保さん自身が高校受験に失敗した過去があり、「たかが15歳で『人生終わった』と思った」と振り返る。物語同様にたまたま進学した高校で、吹奏楽に打ち込み、交友関係も広がり、今では「結局その高校でよかった」と胸を張って言える。「経験があったからこそ、表現できたこともある」と笑顔を見せ、「落ち込んでも動き続けることが大事。どんな道に進んでも『大丈夫だよ』と伝えたい」と強調する。

 自身の経験をリンクさせつつ、メッセージを込めた大事な作品で、「5年前に仕上がっていたけど温めていた」。物語は吹奏楽やいろんなスポーツも出てくるため、吹奏楽の指揮者や少年団の監督など関係者にも丁寧に取材したと言い、「(受賞は)とてもうれしい。子供はもちろん、協力していただいた方、皆さんに読んでもらいたい」と話す。

 刊行は9月15日の予定で、「高杉六花(りっか)」のペンネームで活動する。雪の結晶「六花」から名付け、「雪の結晶は二つとして同じものはない。自分しか書けないものを書き続けたい。大好きな北海道を背負う意味もある」と話す。受賞時は約7万文字だった作品を現在、子供向けにより柔らかくしつつ、文字数を削るなど準備している。

 子育てをしながら市民活動など熱心に取り組み、北海道文教大の大学院で「こども発達学」の研究を深める中で、「児童期にどんな感情を味わうかでその後の成長に関係する」ことを痛感。「物語の中でいろんな感情を味わい、最後はハッピーエンドで、ホッとしてもらいたい」と力を込める。児童書作家デビューに「ここがゴールではなくスタートライン」と気持ちを新たにし、「うれしいけどもっと精進して、長く子供たちに読んでもらえる作品を書き続けたい」と話している。

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