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室蘭民報

試される航路、宮蘭フェリー就航1年(下)【室蘭・宮古】

就航便が到着した22日、室蘭からの市民を出迎える水色のタオルを振る宮古関係者。人流の加速に期待が集まる

高まる存在価値・活発な地域交流を期待

 「『海の道』がつながった市民交流のお手伝いをしたい」。室蘭市町内会連合会の沼田俊治会長は宮古市の自治会との交流を心待ちにしている。

 宮蘭フェリー航路の旅客数は堅調に推移している。「両市に魅力的な観光地がある」(観光協会関係者)ため、旅客もフェリー継続には重要な要素となる。

 就航時に宮蘭航路を運航する川崎近海汽船の赤沼宏代表取締役社長は「人流は必要不可欠。人の行き来が増え、室蘭が栄えれば自然と貨物が増える」と述べ、相乗効果により増便の可能性も視野に入るとの考えを示していた。

 室蘭・伊達の旅行会社は就航1周年に合わせた室蘭発記念ツアーを売り出し、宮古の魅力を発信する取り組みを進める。フェリー到着時間(午前6時)が早い状況を生かし、浄土ヶ浜や世界遺産の中尊寺(金色堂)など観光スポットを巡るツアーを打ち出した。

 栗林トラベル・サポート(室蘭)は北海道新幹線との相乗効果に期待を寄せる。宮古だけではなく盛岡や花巻、一関など宮古周辺自治体を巡り、最後に新幹線で北海道に戻るルートを組み込んだ。室蘭市勤労者共済センターも利用者助成で後押しする。

 田辺竜一所長は「復路に新幹線を活用することで3日間全て観光を楽しめるツアー内容にできる。充実した時間を過ごしていただきたい」と話し、手応えを感じている。

 ただ、就航1年が経過するが、両市として利点を最大限に生かせていないのが現状だ。宮古市の旅行会社・リアス観光の大久保長福会長は「宮古からは使い勝手が悪い」と指摘。室蘭・宮古両市の観光は「広域観光にならざるをえない」と副次的要素にとどまると話した。

 岩手大三陸復興・地域創生推進機構の今井潤教授は、宮古―仙台間の三陸縦貫自動車道が2021年までに完成することで、「(物流面は)この1年はなかなか集荷量が上がらないと思うが自動車道の完成に伴い、自然と増大する」と見通した。

 観光やビジネス以外でも宮蘭航路の存在価値は高まっている。東日本大震災を機に、岩手県に縁がなかった若者や1度首都圏で就職した学生が宮古市を元気にしようと観光の企画やゲストハウスをつくるなどの活動が活発化している。

 今井教授は「室蘭で地域を元気にする取り組みをしている若者たちともつながった相互の魅力発信」に期待を示し、定期的な「割引キャンペーンを企画することは重要」と指摘。「大学生のSNS発信力を活用したPR企画も効果的だと思う」と強調した。

 宮蘭航路をさらに勢い付けるには、人流の加速が必須となる。解決すべき課題はまだ多い。

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