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十勝毎日新聞

不通の峠 店を守り続け 十勝亭 野崎さん【清水】

「『十勝の西の玄関口』として地域を盛り上げたい」と意気込む野崎さん

 『十勝の西の玄関口』として、災害に負けずに頑張りたい-。台風被害で通行止めが続く日勝峠の1合目にある旧清水ドライブインの「十勝亭」(山下和彦社長)は、地元住民や観光客からの励ましを受け、営業を続けている。店長の野崎慎太郎さん(37)は「通行止めの手前までわざわざ上がって立ち寄っていただき、こんなにありがたいことはない」と感謝の思いを胸に、来店客を迎えている。

 十勝亭は、日勝峠の十勝側の上り口に位置し、道東道・十勝清水インターチェンジ(IC)からは車で約5分の立地。札幌側から十勝に来る観光客らの立ち寄り場所として親しまれ、近年では、ご当地グルメの牛玉ステーキ丼や牛とろ丼が人気を集めている。

 台風10号による豪雨が清水を襲った昨年8月30日は、避難勧告を受けて営業を中断。その後、店の前を通る国道274号は札幌側の日勝峠の他、清水市街地と店を結ぶ箇所でも通行止めに。電気と電話回線も使えず、休業に追い込まれた。

観光バスが立ち寄る十勝亭

 しかし、9月8日の電気復旧とともにネット通販を再開。国道274号の市街地につながる迂回(うかい)路も整備された11日から、店舗の営業も再開した。再開初日には、心配する町の住民11人が「大丈夫かい」と来店。「下の町も大変なのに、ここまで上がって来てもらえて励みになる」と野崎さんは振り返る。

 ただ、日勝峠の通行止めによる経営の影響は大きかった。札幌側からの来客がなくなり、十勝側から来るレンタカーやオートバイの観光客らも通行止めの表示で手前で引き返すなどし、来店客は減少。被災後この1年の売り上げは例年より2割近く下がった。

 一方で、観光バスは日勝峠の通行止め後も継続して立ち寄ることが多い。ICで降りて、「行き止まり」にある十勝亭まで寄ってくれており、「清水に道の駅がないこともあり、引き続き立ち寄っていただけてありがたい」と感謝の言葉を述べる。

 5月のゴールデンウイーク(GW)には、日勝峠の代替路となった道東道のトマムIC-十勝清水IC間で28キロの渋滞を記録し、店には観光バスや一般車が多く立ち寄り満席に。GW期間の売り上げは前年比2割増となり、「すぐ上で通行止めなのに、多くのご利用があり驚いた」と話す。

 昨年12月には、慎太郎さんの父で、災害後も自らトップとして営業に駆け回っていた社長の勝敏さんが不慮の事故で死去した。「『地域を盛り上げたい』という思いが強く、行動力がある人で、大きなものを失った」と慎太郎さん。「父の思いを受け継ぎ、お客さまを迎えたい」と話す。

 今年に入り、親しまれた「清水ドライブイン」から店名を変更。「近年はドライブインが少なくなり、若い人にはピンとこないのでは」と、ネットショップで使用していた「十勝亭」を店名に掲げ再出発した。

 先日近くで起きた観光バス横転事故ではいち早く現場に駆け付け、従業員とともに乗客をサポート。「だれも亡くならなかったのが不幸中の幸い。また北海道に来られたら店の料理を食べてもらいたい」と話す。

 日勝峠は10月末までに開通が予定されている。開通時には町内の飲食店や観光協会などと連携した催しを計画中。「開通を見届けられなかった父の思いも込め、十勝の西の玄関口として地域を盛り上げたい」と意気込んでいる。

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