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室蘭民報

有珠山噴火から20年…次に備えて(上)【洞爺湖】

2022年度の完成を目指し整備が進む道道滝之町伊達線(室蘭建設管理部洞爺出張所提供)

 有珠山はあす31日、2000年(平成12年)の噴火から20年を迎える。近年、20~30年の周期で噴火を繰り返し、次期噴火への備えは着々と進む。現状などを探る。

 2000年有珠山噴火は西山西麓で始まり、虻田町(現洞爺湖町)の噴火湾側に位置する国道37号、同230号、道央道など主要道路網、鉄路を寸断した。その影響は計り知れず、道内経済を支える物流、地域住民の足に大打撃を与えた。まさに生命線を分断したのだ。

 道は、次期噴火に備え、迂回(うかい)路の整備を進めている。既に新ルートが開通するなど、着々と整備は進んでいる。

 有珠山南側は、室蘭-豊浦・長万部を結ぶ国道、高速道、鉄路が並走。00年噴火は、これらが高速の砂嵐など「火砕サージ」に襲われる危険性があったため全面通行止めとなった。伊達市と豊浦町の往来は、後志管内の喜茂別町や留寿都村を通る大きな迂回が強いられた。当時、地域住民からは「病院に通院できない」「仕事に行けない」と切実な声が上がった。

 迂回ルートは、ハザードマップで明示された火砕サージ到達予想範囲を避けて整備。昨年3月に供用開始したのが、壮瞥町東湖畔から町内滝之町の国道453号に接続する道道洞爺公園洞爺線。新たに掘削した東湖畔トンネル(463メートル)を含む全長1550メートルだ。生活道路としても多くの地域住民らが利用している。

 そして現在、整備を進めているのが、壮瞥町立香と伊達市西関内を結ぶ新ルート・滝之町伊達線の4・24キロだ。工事は2015年度(平成27年度)に着手。22年度(令和4年度)の完成を目指す。事業費は約32億円。

 これら新ルートの全面開通で、洞爺湖の東岸を経由するルートが確保できる。00年噴火時に迂回を強いられ、最大5時間を要していた伊達市と豊浦町間について「2時間は切れると思っている」(室蘭建設管理部洞爺出張所)と期待が掛かる。

 昨年9月、伊達市の長和地区住民を対象にした防災講演会。講師を務めた2000年有珠山噴火の対応に当たった宇井忠英・北海道大学名誉教授は、「あした(噴火の)前兆地震が起きても僕は驚かない」と、次期噴火の見通しを示した。

 同出張所の吉川陽史所長は「1日でも早く供用開始ができるよう進めていきたい」と、住民の安全、物流を支える迂回路整備に力を込める。それと連動し、日ごろから避難を想定したルートの確認など、迫る次期噴火に備える住民の意識喚起も急務だ。

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