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苫小牧民報

アイヌ文化発信拠点いよいよ誕生 ウポポイ12日開業-白老

アイヌ文化の復興と発信の拠点として12日に開業するウポポイ

 新型コロナウイルスの影響で開業が遅れていた民族共生象徴空間(ウポポイ)が12日、白老町のポロト湖畔でいよいよオープンする。国立アイヌ民族博物館を中核施設に、伝統文化の復興と創造、発信のナショナルセンターとして機能させる。開業に先立って11日午後、ウポポイで菅義偉官房長官らが出席の政府主催記念式典が開かれた。

 開業は当初4月24日だったが、新型コロナ感染拡大で2度にわたり延期された。ウイルス流行が終息しない中、ウポポイを管理運営するアイヌ民族文化財団は、事前予約制で入場者数を制限し、一部体験交流プログラムの実施を見送るなど、感染防止の当面の対策を講じる。

 ウポポイは、アイヌ民族を主題にした日本初の国立博物館「アイヌ民族博物館」と、古式舞踊や伝統楽器演奏などの公演・体験施設を配置した「国立民族共生公園」、全国の大学などに研究目的で保管されていた「慰霊施設」で構成。国がポロト湖畔の約10ヘクタールの用地に200億円を投じて整備した。年間100万人の来場者数を目標に掲げ、アイヌ民族と文化に対する国民理解の促進を図る。

 メイン施設の博物館は、衣食住に関わる民具や儀式の道具など1万点を収蔵し、うち700点を基本展示室で紹介。12日から11月8日までの期間で特別展示室を会場に、文化継承をテーマにした開業記念特別展「私たちが受け継ぐ文化―アイヌ文化を未来へつなぐ」を催す。一部を除き、密閉、密集、密接の「3密」を避ける形で伝統芸能や短編映像の上演、チセ(伝統家屋)の見学など体験交流プログラムを実施。21日からはアイヌ民族の神話を映像や光で表現する夜間の屋外プロジェクションマッピングも展開する。

 オープンを前に11日午後、博物館前広場で開業記念式典を開催。菅官房長官や萩生田光一文部科学相ら政府関係者と、地元自治体首長らが出席し、ナショナルセンターへの期待を高めた。開業日の12日は午前にウポポイ内でオープニングセレモニーを行い、PRアンバサダーの俳優宇梶剛士さんや国、地元自治体、アイヌ協会関係者によるテープカットを予定している。

 また、白老町と道は開業に合わせて同日から、駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)で物販や食のロングランイベントを繰り広げる。

 ウポポイ整備は、2007年国連総会の「先住民族の権利に関する国連宣言」が契機となった。権利回復の世界的な潮流の中で08年、衆参両院がアイヌ民族を先住民族とすることを国に求める決議を全会一致で採択。明治以降の同化政策で途切れたアイヌ文化の復興と民族の尊厳回復への動きが進み、政府は14年、白老町に民族共生象徴空間を整備する基本方針を閣議決定した。昨年5月には、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現をうたうアイヌ施策推進法を施行。ウポポイを政策の象徴とした。

民族共生象徴空間の経緯

2007年

 国連総会で「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択し、日本が賛成票を投じる

  08年

 衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択

  09年

 官房長官主宰「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が象徴空間整備を提言

   14年

 民族共生象徴空間の整備に関する基本方針を閣議決定。白老町が整備地に決まる

  17年

 白老町のポロト湖畔で建設工事着手

  18年

 象徴空間を管理運営するアイヌ民族文化財団が発足

  19年

 アイヌ民族を先住民族として法的に位置付けたアイヌ施策推進法が施行(5月)

  20年

 民族共生象徴空間が7月12日に開業

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