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室蘭民報

中島湯、67年の歴史に幕 29日閉店「お客さんに感謝」【室蘭】

67年続いた店の前に佇む荒井さん

 創業67年の銭湯「中島湯」(室蘭市中島町)が、29日に閉店する。店主の荒井俊司さん(89)は高齢化による体力低下とともに、老朽化したボイラー改修費の捻出が難しく、店じまいを決断。「コロナ禍で客足も減り、ちょうど潮時。たくさんのお客さんに支えられた」と感謝している。

 荒井さんは1931年(昭和6年)に室蘭市輪西町で生まれ、育ち、市内で会社勤めをしていた。父が中島町に所有している土地の近くに、富士セメント(現日鉄セメント)の社宅が風呂なしで整備されることを受け、1953年(昭和28年)にその土地で銭湯を開業。妻の千枝さんが経営者として番台に立ち、荒井さんは会社員を続けた。

 定年退職後、銭湯の経営を手伝い、建て替えて自宅とアパートを併設した現在の姿に。5歳年下の千枝さん(享年64歳)を亡くした後、20年にわたって切り盛りしてきた。

 開業当初の入浴料は17円(現在は450円)。自宅に風呂のない中島町や知利別町の住民が一日200人訪れた。高度経済成長期には一日400人が利用。当時は火力の弱い石炭で湯を沸かしていたため、適温になるまで時間がかかり、お湯が足りなくなって客に迷惑をかけたこともあった。現在の建物に新築した際に重油を使うボイラーを導入し「いつでも新鮮なお湯を提供できるようになった」(荒井さん)と振り返る。

 時代とともに自宅に風呂がある生活が主流となり、客数は減少。10年前から赤字経営を続けていたが、長年通ってくれる常連客との何げない会話を生きがいに頑張ってきた。しかし、コロナ禍で一段と客足は減り一日20人程度に落ち込み、後継者がいない中、自身の年齢や維持費を考慮し閉店を決意した。29日まで午後2時から客足を見て午後7時ごろまで営業。特別なイベントは行わず、静かに最後を迎える。

 30年余り中島湯を利用する知利別町の山根広子さん(80)は、住んでいる民間アパートに風呂がなく週3日歩いて通っていた。5年前から足腰が弱くなって杖(つえ)を利用するようになり、路線バスで行き来している。「(中島湯に)大変お世話になった。閉店後、違う銭湯に行くには、路線バスを乗り継がないといけない」と困り顔だった。

 中島湯には、風呂がない市営水元団地の住民が室蘭市による無料送迎バスで通っている。週4日運行で一日当たりの利用は平均18人。閉店後は別の温浴施設に送迎する。

 市によると、市内の銭湯は松の湯(栄町)、松の湯(母恋南町)、黄金湯(本輪西町)の3軒になる。このほか、市営白鳥の湯(白鳥台)、むろらん温泉ゆらら(絵鞆町)、湯らん銭(東町)、楽々温泉(宮の森町)がある。

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