航空機エンジン部品試作で品質評価、課題確認 キメラ、トライアル結果報告【室蘭】

提出したエンジン部品を基に説明を聞くキメラの赤塚ゼネラルマネージャー(右から3人目)ら
航空機産業への参入を目指す精密金型加工のキメラ(室蘭市香川町、藤井徹也代表取締役)が、航空機エンジン部品の試作に挑んだトライアルの結果が26日に報告され、航空宇宙参入で重視される工程管理の実践を通じて、現状の課題や必要な体制を確認した。
キメラは昨年6月、道内中小企業では初となる航空宇宙関連の品質保証規格「JISQ9100」の国際認証を取得。実際の運用に向けたトライアルとして、中小企業の航空機産業参入を後押しするエヌブリッジ(愛知)の「航空エンジン参入体験プログラム」に挑戦した。
プログラムは、エヌブリッジが提示した図案を基に、難削材とされるインコネルでエンジン部品の試作品(直径13センチ、縦13センチ)を製造。キメラの第2工場(石川町)で行われたトライアル報告会では、キメラが提出した製品や作業工程表、手順書、検査結果などに基づき、六つの審査項目で評価した。
結果は120点満点中51点だった。試作品の品質は、おおむね評価された一方、工程設計や精度の保証、書類への記載不足など、複数の項目で指摘を受けた。コスト評価の点では、エヌブリッジが設定した作業時間の目標を超過した。
エヌブリッジの上田晋作社長は、図案要求に対する精度を評価した上で「工程設計や治工具設計などでコスト改善の余地がある。プロセス管理にさらに磨きをかけて実績を積めばチャンスが広がる」と総評した。プログラムのリーダーを務めた赤塚良和ゼネラルマネージャーは「本番形式でプロセス管理を実践的に学べたのは大きな収穫。明らかになった課題を整理しコスト改善や、今後に生かしていきたい」と気持ちを新たにしていた。
今回のトライアルは、室蘭市や室蘭テクノセンターと連携し、北海道経済産業局の「令和2年度地域企業イノベーション支援事業」を活用した。
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