掘り起こした雪の下メークインの品質を確かめる板坂さん（左）と妻の裕子さん

　【厚沢部】雪の下で寝かせた「雪の下メークイン」を掘り起こす作業が、町社の山の道南いたさか農園（板坂峰行代表）の畑で９日から始まった。低温貯蔵することでデンプンが糖化し、糖分が増える。甘みが増したジャガイモは道内外で人気が高く、３月まで順次出荷する。

　板坂さん（４７）は、食用メークインを１０ヘクタール作付け、見た目がきれいで甘くて味が濃いのが特徴。農薬を減らし、土作りにもこだわり、堆肥や竹炭、魚かす、カニエキスなど自然由来の肥料を使う。特別栽培農産物の認証も取得済み。

　昨年１０月に収穫したメークインを選別し、専用の大きな袋（５００キロ入り）に入れ、１２月上旬に重機を使い土の中に埋め、雪の下で保存。温度は２～５度と氷点下にならず、湿度８０～９０％の環境で今季は２０トンを貯蔵。今冬の降雪量は平年並みだという。

　重機で丁寧に雪や土を取り除くと、袋の中からメークインが顔を出した。札幌のスーパー、札幌と函館の百貨店、個人注文用に出荷する。

　板坂さんは「年明け後は氷点下２０度になる日もあり、寒さにあたり、おいしく仕上がった。塩ゆではもちろん、ポテトサラダやシチューなど素材の味が感じられる料理で食べてほしい」と話す。今年の販売分は既に予約が埋まり、来年の分を予約できる。

　問い合わせは同農園（０１３９・６５・６３３３）へ。