【江差】江差町の照井誉之介町長は９日の第２回町議会定例会の行政報告で、宗教法人姥神大神宮が「姥神大神宮渡御祭」を商標登録していたとして特許庁に対し、５月２０日付けで異議申立書を送付し、同２３日付で受理されたと報告した。

　町が、商標登録に関する情報を得たのは４月１３日。姥神大神宮総代の１人から、同月１２日に開催した総代会で「渡御祭のブランド力や不審な団体などに乱用されたりしないことを目的として、商標登録することを決定した」との電話が追分観光課長宛てにあったという。

　商標登録の情報サイトを確認したところ、２０２１年１２月２４日に出願し、２２年３月１１日に登録されていた。登録申請に関し、町や関係団体などには事前の相談などはなかったという。

　町は、道指定無形民俗文化財にも指定されている「姥神大神宮渡御祭」の名称は、歴史的にも広く普通名称や慣用商標として認められていると主張。これまでも多くの商品や広告物などが製作され、宗教法人単独の商標として独占されるものではなく町民が共有する伝統文化財だとして、登録取り消しを求める申立書の送付に至ったとしている。

　申立書受理後の５月２５日、副町長と追分観光課長が同神宮を訪問し、商標登録に対し事前相談がなかったことについてや、申立書の提出の報告などを行ったという。