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日高報知新聞

無床診療所案反対意見続出【新ひだか】

病院改革プランの概要を聞く地域住民たち=三石=

【新ひだか】町公立病院改革プランの概要を説明する「町民説明会」が15日夜、三石本町の町総合町民センターはまなすで開かれ、三石国保病院を無床診療所にする提案に厳しい意見や要望が続出した。

 この日は三石市街地を中心に住民67人が参加。町からは大野克之町長や田中伸幸副町長、小松幹志静内病院院長、藤沢克彦保健福祉部長ら12人が出席した。静内地区の町民説明会は13日夜に行われた。

 将来の方向性を示した改革プランの策定にあたっては、①人口減少、少子高齢化が進み新しい生活スタイルに順応した、さらに効率的で実現性のある財政運営②一般会計からの赤字補てんがなければ経営が困難な町立病院で、持続的に医療を提供するために抜本的な改善・改革が必要③国から公立病院経営強化プランの策定が義務化(令和4、5年度中に策定) ④二つの病院が担うべき役割や機能を明確化・最適化し、限られた医師・看護師などの医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点をこれまで以上に重視―。

 町立病院の現状と課題として、①5年前と比較して、静内病院で104・6%、三石病院で132・8%赤字額が増加(令和2年度7億1358万9千円の赤字)②赤字基調が常態化して、患者数の減少により収支状況は年々悪化③入院の利用病床数は、10年間で静内病院約16%、三石病院で約50%減少④年間外来患者数は、10年間で静内病院約7%減少、三石病院で約40%減少⑤外来患者の高齢化、静内病院約56%、三石病院で約63%が75歳以上の高齢者⑥深刻な医療従事者の不足―を挙げ、持続可能な病院運営を行うためには、二つの町立病院を一つの「公器」と捉え、機能役割りの明確化と連携強化を進めながら、限りある医療資源を効果的、効率的に活用していく。

 また、現状の課題や問題点の解消方策として、将来的な三石国保病院のイメージについて、①外来機能の堅持・専門外来の増設(循環器科など)②新たな在宅医療の展開(高齢者などの夜間、休日対応)、歌笛診療所を訪問診療に転換③人員不足・経営改善のため無床診療所へ転換。病床を静内病院に集約④無床の在宅支援診療所として、老朽化した施設を新築(最短で令和8年度中)―が示された。 

 開会で大野町長は「国の要請による公立病院の5カ年の改革プランが20年に終了。町は病院経営改革の基本方針をもとに、新たな病院改革プランを策定。町では検討委員会などを立ち上げ意見を集約しながら検討してきた。今回その病院改革プランの説明をして10年先、20年先の町の医療体制の取り組みについて、いろいろな意見をいただきたい」とあいさつ。

 説明後の住民との意見交換では、「2年前の懇談会での町民の意見が集約されていない」、「地域の声を聞いて集約してほしい」、「このまま突っ走るのか、意見は聞かないのか」といった疑義の声が上がり、さらには「入院病床を残すことが町民の切なる思いだった」「みんなが安心する入院機能を持った診療所にできないのか」「病院は最後の砦、入院病床をなくさないでほしい」など三石病院の入院病床をなくすることに反対する厳しい意見や要望が続出し、説明会は約3時間に及んだ。

 町では、「入院病床はなくなるが機能強化し、今の三石病院を存続させる。外来の堅持と病院に通院できない高齢者などの在宅医療体制の提供を提案している」とし、今後のスケジュールでは、「町広報やホームページで内容を周知し、パブリックコメントや説明会で皆さんからいただいた意見を集約していく」と説明した。

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