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苫小牧民報

FRP漁船200隻達成 アタカ造船所、技術に定評

200隻目のFRP漁船の完成を喜ぶ安宅さん(右)。左は船の共同所有者の田中さん

 道内でも数少ない漁船製造企業のアタカ造船所(苫小牧市汐見町)は、FRP(繊維強化プラスチック)製漁船で200隻目となる船を完成させ、6日に苫小牧漁港区で進水式を行った。先代の父親から経営を引き継ぎ、38年目に達成させた節目の数に安宅正利社長(70)は「感無量」と、感慨深げに新造船の進水を見守った。

 同社は、先代の安宅末松さんが1941(昭和16)年、豊浦町で個人事業者として創業。75年に苫小牧漁港区に造船工場を新設し拠点を移した。その後、末松さんの体調悪化で80年に正利さんが経営を引き継ぎ、木造船に代わり主流になりつつあったFRP漁船の製造に乗り出した。

 正利さんは建設関連の企業を退職して社長業に就いたが、「船のことは何も知らず、最初はとにかく大変だった」と振り返る。当時、道内に約100社の造船会社があったが、漁業者の減少など時代の変化で相次いで廃業。「道内で残っているのは10社ほど。現場の社員と共に努力し、生き残ることができたのは何よりの幸せ」と話す。

 同社は、漁業者の依頼に応じてホタテ養殖などに使う4・9トンの小型船から、サケ定置網漁に使用する19トンクラスの大型漁船まで製造。関連事業でフェリーターミナルや空港施設で使うボーディングブリッジ(搭乗橋)の内装なども手掛けている。

 長年培ってきた造船技術には定評があり、依頼は道内各地をはじめ東北地方からも寄せられる。今回新造した19トンクラスの大型漁船もオホーツク管内雄武町の漁業者からの注文。同船の共同所有者の漁業者田中政明さん(51)は「アタカブランドの船は漁師仲間の間でも信頼性が高いと評判」と語り、「思った通りの船ができてうれしい。これで大漁を期待したい」と完成した船に目を細めた。

 同社の西佳輔工場長(40)によると、年間の漁船建造数は3隻ほど。船の基本設計はあるものの、希望に応じて製造するため、事実上のフルオーダーという。「漁業者が使いやすく、安心して海に出られる船を造ることを一番大切にしている」と言い、20~40代の若手社員らが中心となって品質の高い船造りに取り組んでいる。

 6日の進水式には、雄武町から駆け付けた漁業者やその家族ら約40人が集まった。大漁旗を掲げた真新しい漁船が海に浮かぶと、緊張気味だった安宅さんの表情もふと緩んだ。試運転をする200隻目のFRP漁船を見守り「これからもお客さんに喜ばれる、いい船を造っていきたい」と意気込んだ。

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