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苫小牧民報

苔の洞門報道公開 美しい景観広がるも崩落の危険箇所複数

 苔(こけ)の洞門運営協議会は28日、落石を理由に現在は開放していない千歳市支寒内の景勝地「苔の洞門」を報道関係者に公開した。内部では密生したコケが緑色に輝き、美しい景観が広がる。一方で崩落の危険性がある箇所が複数認められるなど、今後の活用に向けては安全確保の面で課題があった。

 洞門の管理・活用を担う同運営協議会は7月7日、9月2日、10月20日に一般市民を募ったガイドツアーを実施予定。公開はこれに先立ち行った。

 洞門は1789年の樽前山噴火で流れ出た火砕流堆積物が冷えてできた溶結凝灰岩が、雪解け水などで侵食されて形成された枯れ沢。高さ7~12メートルの岩壁が両岸にあり、内部には80種類以上のコケが自生する。観光地として親しまれ、以前は内部に自由に出入りができた。

 2001年に落石を確認後は内部への立ち入りを禁止。洞門下流に設けた観覧台を開放していたが、14年9月の集中豪雨による岩盤崩落で観覧台が壊れ、見学ができなくなった。

 実施予定のガイドツアーは一般市民による内部見学で意見を募り、今後の活用策検討の参考にする。協議会は09~12年にもモニターツアーを実施。一般の人が内部に入る機会は、最後にモニターツアーを行った12年10月以来5年半ぶりだ。

 公開したのは全長410メートルの内部のうち、第一洞門の上流部から中流部にかけた約200メートルの区間。岩壁一面に緑色のコケが密生。多く見られるのはジャゴケやエビゴケなど。同行したガイドの泉田健一さん(69)は「気温と湿度が一定に保たれ、コケにとっては好ましい」と好適な環境を語った。

 課題は落石や岩盤崩落の危険性だ。洞門内に入って間もなく、地面に1メートル大の岩があった。岩壁上部には、岩が剥離した灰色の痕跡が残る。さらに下流には、今年5月に協議会の調査で新たに確認された約1・3メートル大の岩もあった。

 岩壁には数メートル置きに、火砕流堆積物が冷えて固まる際にできた縦の亀裂「冷却節理」も見られた。岩壁の上部には水平に亀裂が入った「シーティング節理」がある。冬や春先に、縦と横の亀裂に雨水や雪解け水が浸透し、夜間の低温で凍結することで岩盤がもろくなり、地震や融雪、大雨をきっかけに、落石や崩落が発生する。

 苔の洞門研究会代表で地質学が専門の若松幹男さん(79)は「崩落は頻繁に起きている」と話した。小規模な落石でも岩は直径10~40センチ。今回見た200メートルの区間だけでも12年以降、直径50センチ以上の岩の崩落が10カ所で確認された。「コケの美しさを見てもらいたいのは確かだが、崩落も起きている」と語った。

 美しい景観の観光資源がある一方で、危険性も拭えない苔の洞門。協議会事務局の市観光事業課は「どんな見せ方ができるかをツアーを通して考えたい」としている。

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