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苫小牧民報

断水で酪農に大打撃 厚真や安平で出荷できず生乳破棄も

飲み水不足や余震で乳牛のストレスも高まっている=安平町の小華和牧場

 地震で断水が続く厚真町や安平町では基幹産業の酪農にも被害が広がり、搾乳機などを洗浄できず衛生面の問題から出荷できず生乳を破棄している牧場もある。

 厚真町は約2000戸すべてで断水し、被災した浄水場や水道管など設備復旧のめどが立っていない。「水がないと生乳を出荷できない」と嘆くのは、浜厚真で山田牧場を営む山田澄恵さん(54)。搾乳機や生乳の品質を保つ冷却タンク「バルククーラー」は電力復旧で稼働しているが、洗浄する水がないためだ。11日午前9時半現在も断水が続いており、タンクローリーで大量の水を牧場まで運んで貯水槽に入れ、ポンプ洗浄できるよう急ピッチで作業を進めている。

 安平町では、早来と追分の市街地などで水道の復旧が進んでいるが、酪農地帯は今も断水が続く。

 早来の富岡地区で乳牛250頭を飼養する金川牧場では断水で搾乳設備が洗浄できず、電力回復で乳業工場の生乳受け入れが再開した8日以降も出荷できていない。乳房炎など乳牛の疾病を予防するため毎日の搾乳は欠かせないが、せっかく搾った生乳は「すべて廃棄せざるを得ない」と代表を務める金川幹夫さん(56)は言う。

 その量は1日6トン強にも上るといい、「損失額は5日間で300万円以上になる」と厳しい表情で語る。現在は浄水場から大量の水を調達して設備を洗浄。11日朝に搾乳した生乳はバルククーラーで保存しており、「十分な品質検査をした上で出荷したい」と期待を込める。

 同地区で乳牛100頭を飼育する小華和牧場は設備洗浄と、牛の飲料用に必要な1日7トンの水を浄水場や近隣農家の地下水、川から調達する。地震発生3日目から生乳を出荷しているが、余震続きでストレスが増大し乳房炎にかかる牛も出始めた。小華和寛紀さん(30)は「十分な量の飲み水が確保できず、搾乳できる量が若干減った」と言う。

 近隣の池田牧場も飲料用水の不足で乳牛の食欲不振が目立つという。生乳生産量は普段の半分といい、池田伸二さん(26)は「牛が飲みたいときに水が飲めるよう早い復旧をお願いしたい」と話した。

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