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苫小牧民報

民間炊き出しなし/ボランティア少数/届かない情報 むかわ町穂別地区、支援に格差

図書館で本を片付けるボランティアの学生たち

 胆振東部地震で震度6強を観測し、被災したむかわ町穂別地区。土砂崩れにより多数の死者が出た厚真町や、同じく震度6強を観測した安平町に比べて民間の炊き出しが行われない、ボランティアの人数が少ない、情報が届きにくいなど、支援に格差が生まれている。

 むかわ町穂別地区は、2006年に旧鵡川町と合併した旧穂別町。両町が合併して「むかわ町」となり、旧鵡川町にある町役場本庁舎から穂別総合支所(旧穂別町役場)までは震災の中、車で約40分かかる。

 震災発生から2日後の8日。なお断水や停電が続き、電話はつながらない。災害対策本部のある総合支所を訪れた際に出会った報道陣はわずか1人。市街地は思いのほか静かで、支所前に自衛隊の給水車がなければ、平常と変わらないと錯覚するほどだった。しかし、実際は支所隣接の町民センターに開設された避難所の人たちの食料は底を突いていた。それを知り、近所の人たちが野菜や果物を運んでいた。「厚真町の被害が大変ですから、そちらへ集中しているのだと思う」と町職員。「穂別市街地はまだいい。市街地から遠く離れた山間に2戸、3戸と散らばる周辺集落はどうなっているのか」と心配していた。

 それから10日ほど後、数量制限があったガソリンスタンドの給油は通常に戻った。商店の棚には空きスペースがあるものの野菜や調味料、肉などが並び、来店客は目当ての品をほぼ購入できる。

 商店主は「地震発生直後から見ると、電気も通り、だいぶ良くなった。商品も入荷するようになった」と明るい表情。ただ場所によっては建物の窓ガラスが割れたままで、商品の購入制限を検討している店舗もある。穂別霊園ではほとんどの墓石が倒れ、ブルーシートが掛けられている。

■    ■

 穂別町民センターと富内銀河会館に設けられた避難所では、なお46人(20日前6時現在)が避難生活を送っている。町民センターの避難所前には生活情報を伝える掲示板がお目見え。携帯電話の充電器や衣類が自由に取り出せるよう置かれ、調理場付近には町内外から送られた野菜やアルファ米(乾燥米)など食料もある。ようやく、支援物資が潤沢になった。電気や水道は復旧し、避難所には段ボールベッドも設置された。食事は自衛隊員がセンターの外で作り、町職員など有志が配膳する。

 同支所の災害対策本部では、苫小牧市など応援に駆け付けた自治体職員が対応に当たっているが、穂別地区の現状について田所隆支所長は「なお支援、ボランティアが少ない状況。情報格差が支援格差につながっているのではないか」とみる。

 市街地を歩くと、むかわ竜の発見で全国的に注目を集める町穂別博物館や地球体験館は6日の地震発生後、施設内に損傷が見つかり、休館が続いている。博物館に隣接する穂別図書館では、札幌市の大学生や企業などで構成する北海道学生共創機構(札幌市)のメンバー約40人が倒れた本棚を屋外に運び、散乱した図書を番号ごとにまとめ、ひもで縛っていたが他の場所にボランティアの姿が見られない。

 15~17日の3連休に、厚真町では900人を超える人がボランティアに従事したが、むかわ町災害ボランティアセンターによると、穂別地区では100人ほど。支援の少なさの背景には情報の少なさがあるが、それだけではない。「農家の人たちは、普段から他人に頼るよりも自分たちで何とかするという習慣が身に付いている」(60代男性)。そのことが支援要請の少なさ、支援人数の少なさにつながっているとの指摘もある。

 穂別地区でボランティアの調整役となっていた災害ボランティアセンタースタッフの西村勇太さん(40)は、まちづくりや福祉教育などを手掛ける一般社団法人に所属し、東日本大震災以降、被災地でのボランティア活動に従事してきた経験を踏まえ、「台風や大雪、豪雨でさまざまな被災地に入ったが『地方』は支援が手薄。支援者をもっと送り込むなど、配慮が必要」と述べた。

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