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室蘭民報

美術協会創立会員・高野氏の画業を一冊に【室蘭】

戦時中のデッサンや晩年のパリ遊学で描いたモダンな油彩が収録されている高野氏の作品集

 室蘭市民美術館をささえる会(丸山貴陸会長)は、室蘭美術協会創立会員で、戦前から室蘭の文化向上に貢献した画家、高野次郎氏(1905~86年)の作品集を作製した。タイトルは「時代を生き抜いた気迫の画家 高野次郎」。戦時中のデッサンや、晩年のパリ遊学で描いたカラフルでモダンな油彩が、約220点収録されている。

 東京都出身で、著名な画家を多く輩出した川端画学校に通った。1925年(大正14年)室蘭の栗林商会に入社。47年(昭和22年)から67年まで5期市議会議員、53年から63年まで議長を務めた。82年室蘭市特別功労者。絵画では35年の室蘭美術協会創立に参画、62年から会長。独立展会友、全道展会員。68年同社を退社し、同年と73年の2回、パリに遊学した。75年から室蘭文化連盟会長。

 遺作の油彩は室蘭市民美術館で13点、ささえる会で350点余りを所有。スケッチブックは150冊を超え、古くは29年の和とじのものもある。スケッチは戦時中の和服姿や防空ずきんをかぶった女性、子どもなど身近な家族や生活、風景が多く描かれている。パリ時代は作品が最も伸びやかな時期で、パリの街並みなどをカラフルにモダンに表現。晩年は住んでいた知利別町の風景や花を描いた。

 高野氏と交流があり、編集作業を担った工藤善蔵館長は「日常的にデッサンしていた勉強家。無駄をそぎ落とし洗練された色彩、構図に高野作品の神髄が見られる」と語る。高野氏が「絵を描きたいという衝動は熱病みたいなもの」と語っていたのが印象的という。

 作品集はA4判、80ページ。300部作製し、市立室蘭図書館など関係機関に寄贈した。工藤館長は「多くの市民にご寄付をいただき完成した」と感謝する。「高野さんは著名な画家と交流を持ち、中央画壇の息吹を室蘭に伝え続けた。その画業を後世に伝えられてうれしい」と笑みを浮かべる。問い合わせは同館、電話0143・22局1124番。

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