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室蘭民報

低圧水素配送システム実証事業が本格稼働【室蘭】

「低圧水素配送システム実証事業」の水素製造設備を見学する開所式出席者ら

 風力発電の電力で製造した水素を低圧状態で運び、温浴施設の燃料電池を使い電力として利用する「低圧水素配送システム実証事業」の開所式が30日、室蘭市中央町の室蘭プリンスホテルで開かれた。再生可能エネルギーを利用した水素の製造から貯蔵、輸送、供給、利用までの水素サプライチェーン構築に向けた事業が本格稼働した。

 同事業は環境省の2018年度(平成30年度)「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に採択。大成建設を代表事業者に日本製鋼所、室蘭市、室蘭工業大学、九州大学、巴商会、北弘電社の7事業者が参画する。

 祝津の風力発電所で発生した電力から水素を製造し、車載型コンテナに積んだ日鋼製の水素吸蔵合金(MH)タンクに充填(じゅうてん)。コンテナごと2トントラックで絵鞆町にある「むろらん温泉ゆらら」に運搬し、定置型MHタンクに移して純水素型燃料電池で発生した電気と温水をゆららで使用する。

 MHタンクは、金属に吸着する水素の特性を利用し、高い圧力や熱がなくても大量の水素が貯蔵できる。法の規制を受けない低圧状態で水素の安全な配送が可能だ。車載タンクから定置型タンクへ水素を移すのに必要な熱は、水素吸収時に発生する熱やゆららの未利用熱も使い「熱のカスケード利用」でエネルギーの効率化も図る。

 約1年かけてデータを収集し、システムの効率的な運用方法を研究し、将来的に建物や住宅街でも安全に扱える水素エネルギーの普及促進につなげる狙い。

 同ホテルで行われた開所式には約50人が出席。大成建設の高浜信一郎エンジニアリング本部長は「東京オリンピックを契機に水素社会は一気に加速する。室蘭の事業を世界に発信していきたい」と意気込み、事業関係者らのテープカットで実証スタートを祝った。その後、出席者らは祝津の水素製造設備などを見学した。

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